日銀の新・金融緩和、導入されたらどうなる? 貸出支援基金のマイナス金利化の影響を試算

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「3つの次元で追加緩和可能」としていた日銀・黒田総裁。4月27~28日の金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切るのか(撮影:大隅智洋)

今日4月27日から明日にかけて開かれる日本銀行の金融政策決定会合で、追加緩和が決定されるとの観測が強まっている。

追加緩和の手段としては、マイナス金利幅の拡大やETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)の購入拡大などが考えられるが、今回初めて市場で取りざたされているのが、日銀が金融機関に貸し出す「貸出支援基金」の金利をマイナスにするという案だ。4月22日に通信会社ブルームバーグが報じ、銀行株の大幅上昇や日経平均株価の2カ月半ぶりの1万7500円台回復につながった。

報道などによれば、銀行が日銀に預ける日銀当座預金のマイナス金利幅を現在の0.1%から拡大する際に、貸出支援基金(直近の残高は約31兆円)の金利(現在0%)もマイナスにすることを日銀は検討するという。株価がポジティブに反応したのは、銀行へマイナス金利での貸出というボーナスを与えることによって、銀行の収益悪化が緩和されるとの連想が生まれたためだ。同様の政策は、日銀より先にマイナス金利政策を導入したECB(欧州中央銀行)が、今年3月にいち早く導入決定済みであり、日銀がこれに追従するという予想が広がった。

本当は銀行には逆効果、収益はさらに悪化か

だが、「そのニュースが本当なら、また銀行の収益が下がることになりますね」と、大手銀行幹部はため息をつく。日銀の新政策案は、銀行収益をむしろ一段と悪化させる可能性があるのだ。

ドイツ証券の山田能伸シニアアナリストは「(貸出支援基金のマイナス金利化は)銀行にとって初のマイナス金利による資金調達につながり、イメージ的には株価にポジティブ要因。ただ顧客企業から貸出金利引き下げを求められる公算があり、必ずしも銀行収益にポジティブでない」と指摘する。

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