日銀黒田総裁は金融緩和を実施するのか 今週は日米で重要な金融政策決定会合
日本株がにわかに活況づいている。25日こそひと休みしたが、先週末の一部報道を背景に買いが入り、日経平均株価は1万7000円台を大きく上回ってきた。今週は、ゴールデンウィークという日本の投資家にとっての鬼門を前に、日米の重要な金融政策会合が開催される。当面の為替や株価の方向を決める上で、きわめて重要な週になりそうだ。
ジワジワと切り下がる企業業績予想を無視できない
株高を期待していた向きにとっては、ようやくやってきた反発であろう。「日銀が金融機関への貸し出しにもマイナス金利検討」という先週末の一部通信社の報道は、まさに「待ちに待った材料」だったのではないだろうか。
この報道については、すでに各所で解説されているので、詳しくは触れないが、いずれにしても、27・28日の日銀金融政策決定会合で追加金融策が決定されることへの期待が膨らんだことだけは確かだ。報道の真偽のほどは定かではない。だが、少なくとも株価が上昇し、それを受けて売り方が買い戻し、価格上昇による機械的な買いを入れる向きが買ったことだけは確かである。
また、世界の株式に投資している投資家が、日本株のウェイトが低下したため、機械的に買っている可能性もある。これらの投資家は、一般的な株価水準を分析する上での指標をそれほど意識せずに買いを入れている可能性がある。つまり、割高でも買ってくる可能性がある投資家である。しかし、その株価水準が正当化されなければ株価はいずれ調整されてしまう。この基本的な考えに基づけば、やはり現在の株価水準の意味をよく理解しておくことが必要だ。
結論から言えば、現状を冷静に見ると日本株は高値圏にあり、割高との判断になる。日経平均採用銘柄のEPS(1株当たり利益)は、4月22日時点で1099円。最近のEPSは毎日のように切り下がっており、このペースで進むと、いずれ1050円程度までの調整はありそうである。
EPS1099円では、世界基準である「PER(株価収益率)15倍」を基準にすると、1万6485円になる。もし16倍まで買われたとしても1万7584円である。16倍まで買われると、上値が重くなる傾向があるだけに、これ以上の水準を正当化するには、何らかの材料が必要だ。25日の株価が先週末比で下落したのは、このあたりの割高感を警戒した売りが背景にあったのかもしれない。
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