日銀は弾切れか、それとも限界はないのか

「効かないけどやめられない」緩和依存症

3月25日に日本銀行がホームページにアップした解説記事が早速ネットで話題になっている。

話題の主は、「教えて!にちぎん 5分で読めるマイナス金利」と題するPDF版で3ページほどの解説だ。1月に導入を決めたマイナス金利政策をQ&A形式で簡単に説明している。

内容もさることながら、気になるのは、その妙にハイテンションなトーンだ。

「デフレから完全に抜け出せば、景気も良くなって、日本経済はもっと元気になります。(中略)銀行にとっても、貸出金利を上げても大丈夫になります。これはみんなのためなのです」

「この政策(マイナス金利政策)はとても強力です。いずれ『プラス』の効果がはっきり出てきて、明るくなってくると思います」

3年前の異次元緩和導入時に似ている

今から3年前の2013年4月に異次元緩和を導入した際の調子と似ているといえば似ている。当時、「(日銀が供給する通貨である)マネタリーベースを2倍にすれば、2年で2%の物価目標が実現できる」と黒田東彦総裁は胸を張った。しかし、あれから約3年。3月25日に発表された2月の消費者物価指数は前年同月比0%(生鮮食品を除く総合、コアCPI)。3年経っても、2%はおろか、足もとの物価上昇率は0%近傍の低空飛行を続けている。

週刊東洋経済4月2日号(3月28日発売)の特集は『金融緩和中毒』です。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

週刊東洋経済は4月2日号(3月28日発売)で『金融緩和中毒 効かないけれどやめられない』を特集。緩和依存症に陥った世界経済の病理を解剖した。黒田総裁が進めてきた異次元緩和は円安株高の一助になったが、資産価格を膨らませることはできても、結局実体経済を押し上げる力はなかったと結論せざるを得ない。実質GDP成長率はアベノミクス以降、12四半期中5四半期はマイナス成長で、日銀が試算する潜在成長率は低下の一途をたどっている。

3月8日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」では、マイナス金利についてこんなコメントが目立っていた。

次ページ世間と日銀のギャップとは?
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • iPhoneの裏技
  • グローバルアイ
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT