日銀は弾切れか、それとも限界はないのか 「効かないけどやめられない」緩和依存症

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「企業の立場からするといくら金利が低くても設備投資などの実需がなければ借り入れはしない」

「マイナス金利など先行きの不透明感が客の意識のなかに広まっており、購入マインドが少し弱まっている」

世間が感じているマイナス金利政策のイメージと、日銀の思い入れとのギャップはますます開いている。にもかかわらず、黒田総裁の「マネタリー・シャーマン度」は年々強まっている。

日銀はどこへ向かうのか(写真: shun / PIXTA)

2015年6月に「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」と金融政策をピーターパンの物語にたとえ、「大切なことは、前向きな姿勢と確信」と述べた。

マイナス金利政策の導入を決めた直後の今年2月の講演も「そのあまりの強いトーンに驚いた」と市場関係者の話題を呼んだ。2月の講演の英語版を直訳すると、「日銀はさらなる金融緩和の弾薬(ammunition)が尽きつつあると議論されているが、(中略)金融緩和の手段に限界はない(no limit to measures)と確信している」となる。

黒田緩和の機能不全と比例するかのように、黒田総裁が国会に参考人として呼ばれる回数も増えている。過去10年間をみると、総裁が国会に出席した日数は年間平均23.7日。ところが、今年は3カ月も経っていないのにすでに27日に達する(3月17日現在)。

「マイナス金利は憲法上の財産権を侵害する?」

3月10日の参議院ではこんな場面もあった。

「(銀行が日銀に預ける)当座預金にマイナス金利を課すのは、憲法上の財産権を侵害し、法的に疑義があるのではないか。(日銀が)独自の判断でやっていい政策ではないのでは」

日銀出身で金融担当の内閣府副大臣も務めた大塚耕平議員(民主党)に問われた黒田総裁は「法的に問題はない」と答えたが、こうした疑義が出るほど日銀は際どい手段に追い込まれている。

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