のんびりわが子の「就活スイッチ」の入れ方 「売り手だから余裕」の話を過信してはダメ!

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今年の就活は短期かつスピード化が予想されています。2月には企業の動きが活発になるはずです。就職活動の基本は社会人と会うことですから、「社会人の物さし」で、違和感のある外見や態度は今からアドバイスしたほうがよいでしょう。

チェックポイントの結果を見て、就活スイッチがまだ入っていないようなら、そろそろスイッチをONにする必要があります。おすすめのアプローチは2つ。1つは、喉の渇きを自覚させる、つまり「このままじゃヤバイ!」と危機感を持ってもらうこと。もう1つは、知らない世界、ビジネス社会への興味をかき立てることです。

就活スイッチの入れ方1 危機感を持たせる

ふだん読んでいる新聞やビジネス雑誌などを、読み終わった後でいいので、子どもに渡しましょう。「この時期なら読んで当たり前!」という感じでお願いします(笑)。そのとき、話題の時事問題について、意見を求めるのも有効です。やはり「知っていて当然!」という感じでいきましょう。

子どもの意見は、「社会人の物さし」で判断してください。とくに根拠となる事実の妥当性が大切です。物足りなさを感じたら、社会人が納得できるレベルの意見ではないことを、端的に伝えるとよいでしょう。同時に、話す力は場数を踏むこと、つまり社会人と会話をすることで身についていくことも、アドバイスしてください。危機感をあおるだけでは、萎縮して逆効果になりかねません。

就活スイッチの入れ方2 興味をかき立てる

就活に前向きになれない理由として、実社会への不安や恐怖をあげる学生もいます。失敗すれば責任を取らされる、ノルマを達成できなければペナルティを受ける、といった過剰に厳しいイメージを持っていて、実社会との接触をできるだけ避けたがるのです。

普段の会話として、職場での笑い話や同僚や部下とのポジティブなエピソードを伝えれば、少しはイメージが和らぐはずです。もし、子どもに会わせたいと思う魅力的な社会人がいれば、紹介するのもよいでしょう。大学や専攻が同じなど、共通点のある社会人を紹介するのも有効といえます。女子学生なら、仕事と育児を両立させている女性社員の話を聞きたがる人は、多いはずです。

「自分の言葉」が必要、親は聞き役に

危機感にしろ、興味にしろ、外の世界に目を向けさせて、行動に移す道筋を示すことが大切です。過剰なお膳立ては、子どものメンタリティを助長してしまうので避けてください。ちょっと不親切ぐらいがちょうどいいでしょう。

就活では本人のキャリア観が問われます。ビジネス社会での生き方を自分の言葉で語る必要があります。ですから、親は聞き役が基本。話を聞きながら、根拠が弱いと感じたら、「なぜ?」「どうして?」と問いかけるとよいでしょう。問われれば言語化がすすみます。そうやって少しずつ自分のキャリア観が形成されていきます。

子どものキャリア観を就活を通じて知ることは、意外な発見につながるかもしれません。それは、親と子どもが“守り守られる関係“から、“互いの価値観を尊重し合う関係”に変化するきっかけにもなるでしょう。

平野 恵子 文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所 主任研究員

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ひらの けいこ / Keiko Hirano

同社で新卒採用ビジネスに関わった後、大学のキャリア科目の非常勤講師を務める。2008年から研究員として就任。2016年より現職。キャリアコンサルタント(CCE,Inc.認定GCDF-Japan)として大学低学年から就活生、新入社員までのキャリア支援に関わりつつ、就職活動・採用活動の動向や意識調査を基に、雑誌や専門誌への執筆などを行う。北星学園大学、札幌学院大学の非常勤講師。

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