2. 発信する相手の目的を知る
3. 情報の信用の重み付けを意識する
4. 良い情報源を日頃から確保する
5. 今、行動(購買,適応)すべきかどうか吟味する
6. 信用できる人に相談する
7. 自分の感覚・体験を大事にする
1. 基本的な健康常識を身につけておく
わたしは何よりもこれが大切だと考えています。健康常識に合わないことは先ずは疑うということで良く吟味すること。そして、その基本的常識として、拙著『患者の力』(春秋社)の中でもとりあげている「世界がん研究基金の提言」を推薦します。これは過去の膨大な科学的提言に基づいて作られており、がんだけではなく多くの生活習慣病にも役立つ提言です。この提言に合わないことは、新しくだされた確実な証拠がない限り信じないことです。
2. 発信する相手の目的を知る
情報の発信者は、何らかの目的があって情報を発信します。その発信者の目的を知る、あるいは真の目的を推測することが大切です。WELQ事件を起こしたDeNAは、情報を発信することそれ自体ではなく、読者をサイトに誘導して広告料を稼ぐことが目的となっています。誘導した読者を商売の道具として利用しようとしているのです。たとえ監修者がいたとしても、その監修者は名前を貸しているだけで内容はチェックしていないかもしれないし、適切な専門家ではないかもしれません。
また、厚労省や都道府県など行政機関から発信された情報は安全なのでしょうか?これも、政策誘導的である可能性があります。また、学会のホームページに書かれていることは、学問的には正しいのでしょうが、新しい治療や診断などに傾きがちです。学会には、学会の繁栄のためという意識が根底にあるからです。
製薬会社や通信販売会社のサイトは、専門知識のない患者にとってわかりやすくできていますが、それだけの経費をかけているのであり、薬の販売を増やすという目的があると見るべきです。
私的病院やクリニックがつくったものは患者を誘導することが目的のものが多いようです。保険診療にない高い医療を掲げているものは要注意です。多くの場合に科学的に証明された効果はありません。
私が所属している慶應大学病院では、健康医療情報を「KOMPAS」という名前でインターネット上に公開していますが、これは大学の社会貢献事業の1つとして行っています。もちろんこのサイトにも、慶應大学が得意としている希少難病の患者を集めたいという思惑があるかもしれませんが、記事を書いている医師の多くは、患者が増えたからといって評価されるわけでもなく、患者を集めて儲けようなどという発想はありません。
国立がんセンターのサイトも、「医学の本流」の情報を知るにはよいサイトです。がん患者の市民運動から、がん対策基本法が創られ、経済基盤もしっかりしています。
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