WELQ問題「医師監修」だから安全とは限らない 正しい医療情報を得るために必要なことは?

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仮に専門家が監修していたとて、それが信頼に足る情報であるかは別の話です(撮影:今井康一)

DeNAの傘下にある健康・医療系キュレーション(まとめ)サイト「WELQ」。不特定多数のライターによって書かれた記事内容の信憑性に問題があったこと、ほかのサイトをコピーして加筆するなど、著作権上も問題があったことなどが明らかにされ、サイトの無期限休止に追い込まれることになりました。

現在、様々な視点からWELQ問題が論じられていますが、今回は、正しい健康・医療情報を求めるサイト利用者にとって、どのような点が問題なのか、そして、どうすれば間違った情報に踊らされることがないのか、再考してみたいと思います。

「専門家が監修したから安全」とは言い切れない

この事件が取り上げられ始めた当初、問題点の1つとして、医療の専門家の監修がなされていないこと、医療・健康情報に詳しいジャーナリストがいないことが挙げられていました。

そうした指摘を受けて、サイト休止前の11月24日には医師や薬剤師など「医学的知見」を有した専門家による監修を始めたことを発表。会社側は、サイトが再開してからこうした監修を続けるかどうかも、検討中としています。

しかし、仮に専門家が記事を監修するようになったとしても、必ず安全とは言い切れません。

世の中には、「抗がん剤はがんに効かない」という医師がいれば、「抗がん剤を使うべきだ」という医師もいます。単に医師免許を持っているというだけでその医師を専門家と考え、その監修した情報を100%信用することはできないのです。また、専門家が「監修」をしたといっても、どこまでその内容をチェックしているのかはわかりません。たとえば、過去にはこんな事件がありました。

もう10年以上前の、2001年の事件になりますが、『即効性アガリクスで末期ガン消滅!』(史輝出版)という本の中に記されている患者の体験記が、まったくのでっち上げであったことが判明しました。

本書を執筆したフリーライターは、「体験談はすべてねつ造した。他の本などを参考に自分で考えた」と認め、監修者とともに書類送検されました。監修者の師岡孝次氏は、医学博士で東海大学名誉教授でした。

師岡氏のホームページを見ると、以下のような華々しい経歴が書かれています。

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