受賞歴は、「1997年 日本医師会優功賞受賞、2002年 日本文化振興会 社会文化功労賞受賞、リンカーン平和記念勲章受章、2003年 カナダ大使館 特別功労賞受賞」などをあげ、所属も「日本病院経営学会 会長、日本危機管理学会 名誉会長、日本健康科学学会 名誉会員」などと列記しており、自分に権威があることを誇示していたのです。
「非常に忙しくて、拝見しておりません」
ところが、2005年7月19日のNHKクローズアップ現代でインタビューに答えた同氏は、医学部を出ておらず、医師ではないこと、医学博士は中国で取ったものであること、アガリクスの研究は一切していないこと、医学とは関係のない、経営工学の教授であることなどを述べているのです。
さらに、出版前に原稿を見ていたのかとの質問に対して、「いえ、原稿などは、一般に拝見しておりません。言い訳に聞こえるかもしれませんが、非常に忙しくて、出している本も冊数も多いものですから、1つ1つがどうなっているかというようなことが、具体的にほとんど不可能なんですね」と回答しています。
すなわち、監修したとしても、その専門家により意見が異なることがあり、しかも、監修者が実際には内容をチェックしていないこともあるのです。多くの肩書きや受賞歴を書き連ねている人、あまりに何十冊もの出版物を著作したり監修している人からの情報は、用心した方が賢明です。
さらに、専門家の権威自体も落ちています。この10年の間に、多くの一流大学の研究室からの論文不正が明らかにされてきました。
中でも、2007年から問題提起されたノバルティスファーマ社のディオバン事件は、本当の専門家の発信する情報が信用をなくす事件でした。製薬会社の社員が論文作成の不正に関与したとして、京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学、滋賀医科大学などから出されていた、海外の一流医学雑誌に掲載された論文が撤回されることとなりました。
2014年には、わが国の代表的な分子生物学者であり、約15億円の公的研究費を受けていた東京大学の加藤茂明教授の研究室から出された33本の論文に、捏造と改ざんがあったことが大学の調査により明らかになりました。このように、たとえ高名な研究機関の専門家であっても、その権威自体が失墜してきているという状況にあるのです。
本当の専門家の情報でさえ信用できないことがあるとすれば、一体どうすれば良いのかと途方に暮れてしまうかもしれません。一般市民が自分の健康を守るために何ができるのか、重要なのは以下の7項目です。
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