「選手視点の中継」というスポーツの大革命 仮想現実はスポーツをどう変えるか?
スポーツ観戦のスタイルが変わる
自宅でプロ野球を観戦するため、インターネット経由での放送を大画面テレビに映す。
マウンドには日本ハムファイターズの大谷翔平投手。カウントは1ボール2ストライク。決め球として投げたボールはストレート、結果は三振。スピードガンは日本最速記録を更新する165km/hを表示した。
そこで画面を止め、横にあるVRヘッドセットを装着する。
目を開けるとそこにはマウンドに立つ大谷投手が映る。しかし、先ほどテレビで見た映像とは違う。大谷投手はマウンドから鋭い目でこちらを見ている。目の前には手に握ったバットがあり、視線を横に移すと観客で埋まったスタンドが映る。マウンドの大谷選手に目を戻す。大谷投手が始動しその右腕を振ってボールを投げてくる。しかしボールは見えない。視線を移すと、そこにはキャッチャーミットに包まれたボールがあった。
手に持ったスマートフォンを操作し、映像を巻き戻して、大谷投手の165km/hを再び体験することを試みる。2度目の体験、投じられたボールが瞬く間にキャッチャーミットに吸い込まれる。
ヘッドセットを装着したまま、映像を切り替える。今度もマウンドに立つ大谷投手が映る。ただ、先ほどとは異なり、視点はかがんだ低い位置にあり、左横には打者が立っている。大谷投手が始動し右腕を振ると、恐ろしいスピードでボールが自分に向かってくる。思わずのけぞり、目を閉じる。一呼吸置き、ゆっくりと目を開けると、目の前にはキャッチャーミットとそれに収まったボールがある。
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