テレビ朝日のスポット広告がフジを抜いた! 開局以来初の2位、首位日テレを追えるか

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 視聴率だけでなく、広告収入でも念願の2位を獲得した(撮影:尾形文繁)

「全日帯の好調な視聴率が牽引し、2016年度上期のスポット広告収入は開局以来初めて、日本テレビに次ぐ2位になることができた」。11月10日に行われた決算説明会で、テレビ朝日ホールディングスの早河洋会長は表情を崩さず淡々と語った。だが、同局にとっては長い道のりを経て、ようやくつかんだ成果だった。

スポット広告とは、特定の番組内で放送する「タイム広告」ではなく、番組と関係なく流す広告のこと。広告主はどれだけの期間、CMを放送するかを自由に決めることができ、特定の商品のキャンペーン期間中のみCMを流す、といったことが可能だ。番組に紐付いたCMではないため、テレビ局の日頃の視聴率の動向が、広告主の出稿意欲を左右する。

また、タイム広告が多くを占めるゴールデン帯(19~22時)やプライム帯(19~23時)よりも、スポット広告の枠が多い全日帯(6~24時)の視聴率が出稿に影響する傾向がある。

視聴率が評価されるのは3~5年かかる?

今回、4~9月期のテレ朝のスポット広告は500億円となり、これまで2位だったフジテレビの487億円を抜いた。ただ、テレ朝は2012年度に全日帯の視聴率でフジテレビを上回っている。広告収入の逆転には4年近くを要したが、なぜここまで時間がかかったのか。

まずはテレビ局と広告主の関係だ。一時期視聴率が下がったと言っても、翌年にはヒット番組が生まれて再浮上する可能性もある。

つまり、広告主は視聴率の中期的な傾向を見て出稿するテレビ局を選ぶ。「視聴率が評価され、広告の出稿量が増えるまでに3~5年ほどかかる」(民放関係者)というのが業界の見方なのだ。

また、テレ朝は「日本教育テレビ」として発足した歴史があり、時代劇や2時間ドラマを編成するなど、視聴者の中心は高齢者だ。広告を出稿する企業はF1(20~34歳女性)M1(同男性)をターゲットとすることが多いため、すぐにテレ朝に予算をシフトすることはなかった。

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