低視聴率が続くフジテレビ、打開策はあるか グループ他企業はむしろ好調だが・・・
「フジテレビの視聴率を改善し、シェアを高めることが喫緊の課題であることは言うまでもない」――。11月2日に行われた決算説明会の席上、フジ・メディア・ホールディングスの嘉納修治社長は、これまでも幾度となく繰り返した言葉を口にしていた。
ここ数年、視聴率が下落傾向にあり、業界関係者からも苦境が指摘されるフジテレビ。だが、厳しい状況はまだ続きそうだ。
不動産事業がビル売却で急伸
フジメディアHD自体は比較的堅調な推移となった。4~9月期決算は、売上高が前年同期比5.1%増の3276億円、営業利益は同171%増の133億円と増収、大幅増益だった。
最も業績を牽引したのは都市開発事業だ。セグメント利益は前年同期の31億円から80億円に急伸。子会社サンケイビルによる札幌の土地の売却益や五反田のビルの売却、そのほかのビル・マンションの売却もあり、大きく伸びた。
放送事業も改善を見せている。フジテレビは営業利益が23億円と黒字転換(昨年は10億円の赤字)を果たした。番組の放送時間枠を販売する「タイム広告」と、番組の間に流す「スポット広告」は視聴率が振るわず、それぞれ減少。ただ、サーカス「トーテム」などのイベントや映画事業が貢献し、その他収入を伸ばした。番組制作費も上期で43億円削減。さらに営業費用も削減し、黒字を確保した。ほぼ会社予想通りの着地だ。
上期が大幅増益となったフジメディア。下期も伸びが期待されるが、そうはいかないようだ。通期の業績予想は売上高が前回予想比73億円減の6632億円、営業利益は272億円で据え置いた。これはどういうことか。
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