「集中力の続かない人」は睡眠を軽視している ハーバード大学医学博士が明かす脳の管理法

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多くの人はなぜか、疲れ果てたり、大きな失敗をいくつもしたりするような不調に陥るまで、自分のエネルギー管理という、極めて重要で簡単なことを気にかけません。

しかし、あなたの身体は、あなたの脳が知るより前に、自分のエネルギー状態を知ります。――まるで、身体にも脳があるかのように。あなたの脳は、間違いなくあなたの身体の一部ですから、その身体の準備が整っていなければ、勝負に勝つことも、作りたいものを作ることも、集中することも、学ぶこともできません。そこで、身体や精神のエネルギーをしっかりと管理するために、習慣を変える必要があることを覚えておいてほしいのです。

効率的なエネルギー管理には2つの要素があります。第1の要素が予備作業、第2の要素が日々の維持管理です。特に前者――そもそもの危険や疲労状態を招かないように防止するための予備作業――が、ないがしろにされがちです。

エネルギー不足を解消する最強の習慣

エネルギー管理の予備作業として私がお伝えしているアドバイスはいくつかありますが、その中で筆頭にくるのが「睡眠」です。人間として機能し、健康的にパフォーマンスを発揮するうえで、何よりも欠かせない習慣です。

「そんな当たり前のこと、とっくに知っているよ」と言いたくなるかもしれません。しかし、知っていることがすべて実践できていることかといえば別の話です。重要なのは、あなたが日常生活の中で実践して、働いているときにも遊んでいるときにも、身体と脳に十分支援してもらえるようにすることです。

現代社会では、数え切れないほどの人が、睡眠不足によって多かれ少なかれ自分を傷つけています。身体が必要とするだけの睡眠をとっていない状態が続くと、食欲増進ホルモンのグレリンが増加し、食欲抑制ホルモンのレプチンが減少します。そのため、睡眠不足は肥満につながります。

睡眠不足はほかにも、高血圧や免疫機能の低下、ガンのリスク増大、風邪やインフルエンザへのかかりやすさにも影響します。また、イライラや記憶力の低下につながることもよく知られています。そのうえ、注意が散漫になり、それが時にADHD(注意欠陥・多動性障害)とそっくりな兆候を示すこともあります。睡眠不足は、あなたを最速で危険地帯へと導く“高速道路”なのです。

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