東電株主総会、震災後3回目で関心薄れる? 会場スカスカ、国の支持背景に会社提案素通り
東京電力は6月26日、福島第一原発事故後、3回目となる株主総会を開催した。
午前10時から国立代々木競技場第一体育館(東京都渋谷区)で開催された株主総会では、上程された16議案のうち、会社提案による取締役11名選任の第一号議案が賛成多数で可決された。その一方、株主提案による議案については、撤回されたひとつを除いた全議案が、取締役会の事前に示していた反対意見のとおり、反対多数で否決された。
議決権の過半を持つ国(原子力損害賠償支援機構)や金融機関による取締役会への支持をバックに、採決は形式的に行われた格好だ。
除染費用考えれば「債務超過」との意見も
総会の議長は、下河辺和彦会長が今回初めて務めた。途中、一部株主から「会社更生法を申請せよ」などと動議が出されたが、全体的には大きな混乱もなく3時間41分で終了した。所要時間は昨年の5時間31分(過去2番目の長さ)、一昨年の6時間09分(過去最長)から大幅に縮まった。
参加した株主数も2090人となり、昨年の4471人(過去2番目の多さ)、一昨年の9309人(過去最多)を大幅に下回った。総会に参加した株主に聞いたかぎりでは、「会場内はスカスカだった」という。
株式市場では「東電株は一部投機家によるマネーゲームの対象と化した」(アナリスト)とも言われるが、東電の経営に対する個人株主の関心低下を反映している可能性もある。
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