ヴォラプチュアス!
次の『三四郎』にも西洋の絵画が登場する。九州から上京して大学に入学した三四郎は美禰子に心を奪われ、彼女のあいまいな態度に翻弄される。三四郎が美禰子のイメージを重ねたのがフランスの画家グルーズの絵だった。
「グルーズは色っぽい少女の絵を専門に描きました。ロンドンの美術館に今もたくさん並んでいます。漱石もそれを見て感じるものがあったのでしょう。美禰子のキャラクターを作るときに思い出したのだと思います」と古田さんは語る。
「“官能に訴えているけど卑しく媚びるのとは違う”とは、どんな感じ?と思いますよね。実際に絵を見ると、漱石はこういう絵を見てこう書いたのかと、彼の頭の中を見る楽しさがあります」と古田さん。



















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