01. 別荘は避暑避寒の目的で、日常居住する住宅とは別の場所に建てた家
02. 日本では古代貴族の別荘を「別業(なりどころ/べつぎょう)」と呼んだ。「田荘(なりどころ)」と書く場合もあり
03. 『日本書紀』には有力者の「別業」「田荘」の存在が記されている
04. ほかに別墅(べっしょ)、別庄(べっしょう)とも呼ばれた
別荘の発祥
05. 別荘の発祥は古代ローマといわれる
06. 古代ローマでは郊外の高地チボリや地中海のカプリ島に「Villa」と呼ばれる別荘が営まれた
07. カプリ島は古代ローマの初代皇帝オクタヴィアヌスに愛された避暑地。高級別荘地として2000年の歴史をもつ
08. 2 代皇帝ティベリウスはカプリ島に「ヴィラ・ヨヴィス」など12の別荘を建て、青の洞窟をプライベートプールとして使っていたとも伝えられる
09. 北イタリアではコモ湖、南イタリアはカプリ島がイタリアの2 大高級別荘地
10. 当時の「Villa」は「田舎の家」という意味。Villageと同じ語源といわれる
11. ハドリアヌス帝がチボリに建てたヴィラ・アドリアーナは、古代ローマの広大な別荘の代表例のひとつ
12. チボリでは後期ルネサンス期にエステ家別荘Villad'Esteが築かれイタリア一美しい噴水庭園と称えられる
13. ヴィラ・アドリアーナは1999年に、エステ家別荘は2001年に、世界遺産に登録されている
14. さらにイタリアでは49番目の世界遺産としてトスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群が2013年に登録された
15. 英語ではsummer house、vacation house、holiday house、villa、cottage、second houseなどが使い分けられる
16. 中国では長安の東にある温泉地驪山(りざん)が皇帝の別荘地として知られる
17. 平安時代初期から京都の宇治や嵐山、嵯峨野は多くの貴族たちの別荘地帯だった
18. 宇治の平等院の地は、9 世紀末、光源氏のモデルともいわれる左大臣源融が別荘を構えた場所
19. この別荘が998年に藤原道長の別荘となり「宇治殿」と呼ばれていたものを、後に藤原頼通が寺院に改めたのが「平等院」の始まり
20. 室町時代には茶の湯を行うための別荘が営まれた。足利義政が建てた銀閣寺はその代表例
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