トヨタのブルーカラーの仕事が超絶速いワケ ホワイトカラーの仕事は実はまだ遅い?
この方法は、パソコン内のファイルを捨てる際にも応用できます。パソコン上に「一時保管フォルダ」を作り、その中に捨てるのが不安なファイルを一定期間保存し、期日がきたら一度も開かなかったファイルを削除する習慣をつけましょう。
意味のないルーチンワークは「やめてみる」
さらに、ムダな“仕事”も捨ててみましょう。つまり「やめてみる」という選択が有効な場合もあります。モノと同じように、必要性の低い仕事はとりあえずやめてみて、もし成果が変わらないようならそんな仕事はスッパリとなくしてしまえばいいのです。
トヨタの現場でも、「必要のない仕事をやめる」という選択は何度も行われていました。
たとえば、メカニックだった私は、定期的に技術講習を受講していましたが、その講習では、昔から終了後にレポートを書いて提出するという慣習がありました。
しかし、あるとき、先輩のひとりが「このレポートは、本当に意味があるのか」と口にしはじめ、社内で議論になったことがあります。そこで、そのレポートがどのように活用されているのかを追跡調査したところ、実は上司も多忙であまり読んでおらず、ファイリングされて終わっていたことがわかりました。
結局、この慣習はほどなくして撤廃されました。その代わりとして、教わった作業や技術を先輩の前で実際に披露する「報告会」が開かれることになったのです。
時間をかけて紙に書き起こすよりも、手を動かしてアウトプットするこのやり方は、実に理にかなっていて、技術の浸透が速くなっていきました。
この「必要のない仕事をやめる」という選択は、もちろんホワイトカラーの職場でも応用が可能です。報告書や日報などの書類も、「慣習だから……」となんとなく続けている、ということはありませんか? もちろん、それを書くことで本当に成果が挙がるのなら続けるべきですが、あまり身にならない、かけた時間やコストに見合う成果が得られないと判断するのであれば、思い切って「やめる」ことを提案するべきでしょう。
以上は、すべて基本的なことですが、なかなか実践できていないという人も多いのではないでしょうか。基本的なことこそ、今一度チェックして、カイゼンするべきです。
一気に大幅な時短が実現するような魔法の方法はありません。毎日のルーチンワークや、なんとなく行っている動きに対して「本当にこれでいいのか?」と疑問を投げかけ、つねに改良していくことが最短であり最良の方法です。
ぜひ、大切な人たちとの時間や趣味、ライフワークの時間など大切なものに多くの時間を振り分け、あなたの人生の「質」を高めるために、「時短」スキルを役立てていただければ幸いです。
(構成:山岸美夕紀)
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