トヨタのブルーカラーの仕事が超絶速いワケ ホワイトカラーの仕事は実はまだ遅い?

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トヨタの現場では仕事柄、みな歩くスピードが非常に速かったのですが、新しい職場ではそんなスピードで歩いている人は誰もいません。モノを探してフラフラと歩き回る人、廊下をダラダラと歩く人、ムダ話をしている人などを多く見かけて、心底ショックを受けました。もちろん、仕事の性質の違いもありますが、そのほかにも「時間をムダにしている」ことが多数見受けられました。

この時初めて、トヨタの中にいる時は普通だと思っていたことが、実はトヨタならではのすごい教えだったのだと気づいたのです。それが、トヨタの教えを振り返り、時短について深く考察するきっかけとなりました。

トヨタは1秒をバカにしない

トヨタに昔からある言葉で「時間は動作の影である」というものがあります。動作が悪ければ時間が長くなってしまい、動作がよければ時間を短くすることができる。当たり前のことではありますが、こういった言葉が残っているということは、それだけ時間への意識が強かったということです。

ここでいう「動作」には、「動線の選択」も含まれています。トヨタにいたころ、整備作業の際に工具を取りに行くにしても、右から行くか左から行くか、どちらが効率がいいか「動線」を意識しろ、と教えられました。時間にしたらほんの1、2秒程度の違いだとしても、それが毎日何十回も積み重なれば大きな時間のロスとなります。トヨタは1秒をバカにしません。

些細なことですが、日ごろ何の気なしに行っている動作にも「ムダ」はたくさん潜んでいます。たとえば、エレベーターに乗り込んだとき、あなた以外誰も乗っていないとすれば、まずどのボタンを押しますか?

時短の視点から考えるのであれば、「閉」ボタンが正解です。そしてドアが閉まっている間に行き先階ボタンを押せば、先に行き先階ボタンを押した場合にドアが開きっぱなしになっている時間を省くことができます。

そんなにセカセカ生きる必要はないじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが、こうしたムダな時間を短縮して、本当に必要な時間に充てることが時短の目的です。これまで無意識に、習慣的に行ってきたことこそ「ムダな動きがないか」「もっと効率よくやる方法はないか?」と自問する姿勢があれば、積もり積もって多くの時間を捻出することができるのです。

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