本当の格差は「無形資産」によって生まれる リンダ・グラットン氏、安倍首相夫人と共演
変わらない社会にネガティブな印象を抱いていた
浜田 敬子(以下、浜田):皆さん、こんばんは。私はこれまで『AERA』編集長として取材を続けてきて、長時間労働や仕事と育児の両立、女性がなかなか活躍できないなど、変わっていかない社会にネガティブな印象を抱いていました。こんな社会では「長寿はリスクでしかない」と思っていたのですが、『ライフ・シフト』は非常にポジティブで、目からウロコが落ちました。そして自分もこんなに長生きするのかと驚きました。まずはパネリストの皆様に、簡単な自己紹介と読後の感想をお聞かせいただけますでしょうか。
池見 幸浩(以下、池見):人材採用のサービスを提供しているgrooves代表の池見です。3年前に出版されたグラットンさんの『ワーク・シフト』の中に、「職業生活において最も変革を与える事象は、産業革命でもインターネット革命でもなく、寿命が延びることだ」というピーター・ドラッカーの言葉が載っていましたね。『ライフ・シフト』は、これから多くの人が長寿を迎える時代の指南書であると思いました。
安田 洋祐(以下、安田):大阪大学でミクロ経済学を教えている安田です。『ライフ・シフト』は、これからの私たちの人生における重要な情報が「見える化」されています。年齢の違う3人の人生のシナリオが描かれ、ともすれば複雑になりがちなキャリア形成や貯蓄などのことが、非常にわかりやすく具体的に示されていると思います。私たちにとって、これからの人生を変えていくための非常に良い羅針盤になります。
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