パナソニック、スマホ戦略の憂鬱 ドコモ“ツートップ”の外側でブランド確立に奔走

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近年、急速に普及したスマホだが、国内では携帯電話加入者の半分程度は、いまだにガラケーを使っているとされる。パナソニックは、ガラケーユーザーのスマホに対する「ガラケーと操作性が違う」「バッテリーのもちが悪い」「片手操作ができない」といった抵抗感を考慮して、新型エルーガを設計。ガラケーからの乗り換え需要の取り込みをもくろむ。

端末の機能といったハード面に加え、ソフト面での販促としては、6月29日から「さらっとスマチェン!塾」と呼ぶ体験セミナーを全国で順次展開する。新型エルーガに触れ、スマホの操作などを学んでもらうことで、ブランドイメージを訴えようという企画である。18日には「スマチェン!塾」の開校という位置づけで、タレントを招いた報道陣向けのイベントも開いた。

スマホ使い方講座の全国開催で「エルーガ」を訴求

これらの拠り所としているのが、パナソニックが新型エルーガの投入に併せて公表した「ケータイユーザーのスマートフォンに関する意識・実態調査」の結果だ。20~40代の男女1200人のガラケーユーザーを対象にアンケート調査を実施。それによると、ガラケーユーザーの43%が「スマホを使ってみたい」と回答。そのうち6割が買い替えをためらっているが、3人に1人は「スマホの使い方を学ぶ講座があれば、ガラケーからの乗り換えを検討する」という。「ターゲットユーザーをスマホ初心者に絞り込むことで、エルーガのブランドイメージを確立したい」と、前出の河合氏は言う。

ただ、ガラケーのような操作性や使い方講座などが、エルーガの購入動機になるかどうかは微妙だ。

ガラケーとスマホの操作性は、そもそもボタンとタッチパネルの触感に決定的な違いがあり、スマホで同じキーの配置をタッチパネル上で再現しても、ガラケーと同程度の操作感が得られるワケではなく、端末の魅力としてはイマイチ決め手に欠ける。ガラケーからスマホに替えれば、月額の使用料はほぼ確実に上がるのにガラケーと同じ使い勝手では、かえって付加価値につながらない可能性もある。

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