「あー、そのジャケットの丈は短すぎるでしょ……」
街中でこんなビジネスマンを見かけることはありませんか? スラッとした印象にこだわるあまり、スーツサイズを適正以上に下げた場合、この現象は起こります。
「既製スーツをそのまま着る」時代は終わった
私は「プロの目線でユニクロもカッコよく!」をモットーとして、これまで延べ3800人以上のビジネスマンのファッションをトータルコーディネートしてきました。そんな私からは、ビジネスマンのシルエット意識が向上した結果、「既製スーツをそのまま着る」時代は終わりを告げたように見えます。
独特の記号で呼ばれる「スーツのサイズ表示」は、日本工業規格(JIS)が1996年に改訂した「成人男子の衣料サイズ」(JIS L4004)に基づき、大半の量販店が採用しています。量販店各社が販売する「スーツの体型」とは、胸囲と胴囲の差を基準とし、その差16センチを「Y体」、同12センチを「A体」、同10 センチを「AB体」というように表記しています。
また、ヨーロッパで使われることが多い「ドロップ」表記((胸囲-胴囲)÷2)を採用している量販店も一部あります。どちらも共通するポイントは、「胸囲に対する胴囲の絞り具合」を基準にしていることです。そして、「横サイズ(体型)」に加え、5センチ刻みの身長サイズ、165センチ=4号、170センチ=5号というような「縦サイズ(身長)」まで考慮されています。
つまり、スーツのサイズ表記は「縦サイズ(身長)」と「横サイズ(体型)」、2つの軸をベースとし、A6体であれば、「身長175センチ・胸囲と胴囲の差12センチ」となります。しかし、「表示どおりのスーツがそのまま体に合う」とは限りません。身長や体型だけでなく、腕の長さにも個人差があるからです。
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