また、着丈も詰めることが可能です。小柄で肩幅・胸板がガッチリしている方は、袖のみならず、着丈も長くなりがち! その場合、袖・着丈どちらも短くすることで、バランスが整います。ちなみに、短いジャケット着丈は「足を長く見せる」効果があるといわれてきましたが、一方で、短すぎるスーツジャケットを着た「行き過ぎたビジネスマン」を、近年よく見掛けます。
時代に合わせて変化する「ジャケット着丈」
そもそもジャケット発祥のルーツは、「昼間の正装であるモーニングコートの変化から生まれた」、と言われています。ソファーに座るとき、長い丈が邪魔になってしまうという合理的理由から、モーニングコートの丈をバッサリ切った上着こそ、ビジネススーツの原型「ラウンジスーツのジャケット」だったのです。
その後、スーツの仕立て職人からオーダーメードスーツ業界に至るまで、適正なジャケット着丈の目安は「総丈の半分」と言われてきました。総丈とは、首元の付け根から地面までの距離を指します。目視した時、「ジャケットの着丈がお尻全体を隠す程度!」とも言われますが、近年、短いジャケット丈を好むビジネスマンが増えたようです。
ジャケットの着丈=総丈÷2
確かに、小柄な体型の方は、標準より短い着丈であってもバランスよく足長に見えます。しかし、身長175センチ以上の高身長体型では、短い着丈のジャケットでは、借り物を着ているような違和感があるかもしれません。足長効果はむしろ、スラックスのお直しを活用します。
スラックスで注目すべきお直しは「裾幅詰め」です。裾に掛けて徐々に細くなる「テーパード」を強めるために、私はこのお直しを活用しています。昔ながらのスーツスラックスでは、裾幅23センチが標準と聞きますが、現代スーツにはなじみません。
ふくらはぎの発達具合によりますが、裾幅を18.5~20.5センチ程度に指定することで、足首に掛けてスラッとした印象に見えます。もちろん、ふくらはぎが発達しているビジネスマンにはこのお直しは必要ありません。
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