「既製スーツ」でもピシッと着こなす男の知恵

ツープライスは、もはや安いだけではない

若手ビジネスマンを中心に浸透しています(写真:Fast&Slow / PIXTA)

ツープライススーツ。一式で2万円台あるいは3万円台など2つの価格帯を持ったスーツのことです。青山商事が展開する「THE SUIT COMPANY」をはじめ、「オリヒカ」(AOKIホールディングス)、「SUIT SELECT」(コナカ)、「P.S.FA」(はるやま商事)など、紳士服量販大手4社が展開しているツープライススーツ量販店で売られています。

THE SUIT COMPANYが2000年11月に1号店をオープンしてから16年。この業態が打ちだす「シルエット重視の細身スーツ」はビジネスマンに広く浸透しました。私は「プロの目線でユニクロもカッコよく!」をモットーとして、これまで延べ3800人以上のビジネスマンのファッションをトータルコーディネートしてきました。その私からは、ツープライススーツの浸透が、「ビジネススーツのスタンダード」を変えてしまったように見えます。

ツープライススーツを浸透させた2つの戦略

幅広い年齢層をターゲットに据えた紳士服量販店に対し、20~30代のビジネスマンにターゲットを絞り込んだツープライススーツ量販店には、2つの戦略があります。

1つ目は値付け。それまでの紳士服量販店は、設定した高い定価から「大幅な割引」、もしくは、「2着目以降1000円で!」というお得感を打ち出すプロモーションが主流でした。一方、ツープライススーツ量販店は、リーズナブルかつ明瞭な価格で、主要ターゲットである若手ビジネスマンに寄り添ったのです。

2つ目は、シルエットを優先させた商品企画。価格を抑えるため、高級な生地を使わずスーツのデザインパターン(型紙)にこだわっています。細身でスタイリッシュなボディシルエットのスーツは、20~30代ビジネスマンのニーズに合致したのです。1996年メンズ衣料サイズの日本工業規格(JIS L 4004)が改訂されました。当時20代男性の体格向上は、1980年に制定されたJIS(日本工業規格)の想定を超え、細身男性が増えたと言われています。

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