「出産ハラスメント」の深刻な実情 連合の電話相談で働く女性が次々と訴え
日本労働組合総連合会(連合)が全国47都道府県の地域連合組織を通じて5月27、28日に実施した電話による労働相談で、2日間としては過去最多となる677件の相談が寄せられていたことがわかった。
「働く女性の労働相談キャンペーン」と銘打って実施したこともあり、女性からの相談が8割弱を占めたのが特徴で、セクシャルハラスメントや妊娠・出産を理由とした退職強要など「マタニティ・ハラスメント」(マタハラ)と呼ばれる問題が深刻化していることも浮き彫りになった。連合は深刻な事例について本人との相談に基づいて解決に乗り出すとともに、男女雇用機会均等法の改正など対策強化につなげていきたい考えだ。
677件の相談のうち、女性による相談が522件(77.9%)に上った。パートやアルバイト、派遣社員などの非正規社員の割合が41.8%も占めた。
業種別では、看護師などの「医療・福祉」が28.7%とトップ。相談内容では「嫌がらせ・セクハラ」が首位の19.2%で、「女性保護」(13.5%)、「解雇・退職強要・契約打ち切り」(10.4%)と続いている。「マタハラ」は各集計項目に含まれているため、正確なカウントが難しいものの、相当の数に達しているとみられる。
悪質な事例が続々
「妊娠中に切迫早産となり入院していたところ、会社の担当者が『働けないので解雇したい』と書類を持って病院に来た。『傷病手当だけは受給できるようにしてあげるから』と言われ、退職届けにサインしてしまったが、本当は働き続けたかった」(40代、契約社員)。
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