FRBのQE3縮小策次第で、新興市場に大波乱も

反動招きやすい日米の金融政策、市場との対話も難しく

日米の金融政策が金融市場のボラティリティをグローバルに高めている。FRB(米国連邦準備制度理事会)や日本銀行の現在の政策は、本質的に市場のボラティリティを高める性質を持っている。その国の金利の基準となるリスクフリー金利(国債の利回り)を強引に操作して金融機関や投資家にポートフォリオ・リバランスを促し、資産価格にバブルを起こして総需要に働きかけようとする政策は、一時はよくても、後で反動を招きやすい。

投機筋は黒田総裁に追加緩和策を期待

6月7日まで2週間ほど欧州を周ってきた。欧州では日銀の「異次元緩和策」に対する見方は分かれていた。

ヘッジファンドなどこれまで「異次元緩和策」をほめたたえてきた投資家の間では、6月10日、11日の日銀金融政策決定会合に対する異様な期待の高まりが存在していた。「日経平均が大幅に下がったのだから、国債買入れ額の増額を決定するのではないか」「マネタリーベースを2年後に2倍にすると4月に約束していたが、今回は3倍と言うのではないか」といった一方的な期待膨脹が見られた。

多くの日本人市場参加者は、「黒田総裁は政策を『逐次投入しない』と明言してきたのだから、このタイミングでそれはないでしょう」と感じるが、それが通じていない人が海外には意外にいた。彼らにとっては、4月4日の印象が非常に強かったがゆえに、「クロダは何でもやる」と見なしてしまった節がある。

また、現在の日銀の政策は資産価格を押し上げて、人々の気持ちにユーフォリア(酔狂)を起こし、インフレ期待を引き上げようと狙う戦略である。したがって、「株価がこれだけ下がったのだから“バズーカ砲”第2弾が打たれるだろう」との予想はロジカルな連想だったと言えなくもない。

しかしながら、そういった期待に日銀が応え続けるのは現実不可能である。過度な期待は剥がれざるを得ない。

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