意外なほどもろい、中国の金融システム

習近平体制は本当に銀行改革ができるのか

もうひとつのマッチングビジネス「理財商品」とは?

中国には信託のほかにも、資金の借り手と出し手をマッチングさせるビジネスがある。銀行が主体となって販売してきた「理財商品」というものだ。資金繰りが必要な企業に高金利の資金調達条件を持ちかけ、手数料を銀行が取った後で、投資家に5%前後の利回りの商品を提供する。信託との違いは、①期間が信託の1~2年に比べて3~6カ月と短く、利回りもだいぶ低い、②担保の取り方が甘く、ときおりデフォルト(支払い不能)となる商品が現れている(と伝えられる)、③そして富裕層向けの特別商品と違って、基本的に誰でも買える――ことである。小口投資家向けに「信託」をまねしながら、お手頃サイズに小さくした感が強い。

ただ、理財商品の先行きには暗雲が垂れ込め始めた。信託同様に急成長してきた理財商品市場だったが、3月末に当局から厳しい規制強化策を受けることになったためだ。粗製乱造で償還リスクが高まってきた、と当局に判断されただけでなく、一部の不埒な銀行マンが資金ニーズのある法人顧客と結託して、自前で高利回り商品を組成、個人投資家に販売するような行為も発生した。中堅銀行の華夏銀行で発生した事件では、期待利回りはおろか、元本も償還されず、銀行マンともども「商品」自体も行方不明となってしまった。資金の投資先すらわからなくなってしまったのだ。また、銀行が組成した「理財商品」を銀行自身が購入しているのでは、といった「たこ足」運用や「ねずみ講」運用のうわさも絶えない。

次ページそれでも「信託」や「理財商品」は魅力的
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 最新の週刊東洋経済
  • ドラマな日常、日常にドラマ
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナでもブームは過熱中<br>不動産投資 天国と地獄

家計のカネ余りを背景に、マンションやアパートなどへの投資熱は冷める気配がありません。しかし、不動産投資にリスクはつきもの。先行きが見通せない状況で、何が優勝劣敗を分けるのでしょうか。現場の最前線を追いました。

東洋経済education×ICT