パリピも黙る!「池袋ハロウィン」の超絶進化 小池百合子知事も登場、今年のコスプレは?

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独自のハロウィン文化を育んでいる池袋

それでも横澤氏は、「街でやることに意味がある」と主張する。偏見を受け、虐げられてきたコスプレという趣味だからこそ、「街というパブリックな場で、好きなことをはっきり好きと言えるようにしたい。そのための場を作りたい」(横澤氏)。参加を促すため、十分な数の更衣所を確保し、業界のインフルエンサーが登場するステージも企画。次第に口コミが広がり、昨年2回目の開催には参加者が一気に4割増えたという。

迷惑行為が頻発すれば廃れる

今年はコスプレのまま入店できる協力店を100店まで増強。万が一コスプレ衣装が壊れてしまった際に利用できる「無料お直しコーナー」を設けるなど、さらに至れり尽くせりの体制を組んでいる。

そもそも「ハロウィンは興業として成り立ちにくい」というのが横澤氏の持論だ。テーマパークにとっては、イベント閑散期になりがちな10月を乗り切る好材料だが、仮装やコスプレで街に集まるだけでは、興業として課金できるポイントがない。「今はブームが続いているが、迷惑行為が頻発するだけなら、いずれ規制され淘汰されていくはず」(横澤氏)。

だからこそ池袋ハロウィンは、「サブカル、コスプレという明確なポジションを取りに行った」(横澤氏)。ビジネスとして成熟させるにはもう少し時間が掛かりそうだが、同じ趣味趣向を持った人が大量に集まれば集まるほど、そのニッチな層に自社製品・サービスを訴求したい企業にとっては、スポンサーしがいのある場になる。

一風変わった方向性でも、これがハロウィンが日本で生き残る一つの形なのかもしれない。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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