パリピも黙る!「池袋ハロウィン」の超絶進化 小池百合子知事も登場、今年のコスプレは?
なぜ池袋のハロウィンは“荒れない”のか。その理由について横澤氏は「コスプレイヤーたちの間で自浄作用が働くからだ」と説明する。
第一に、池袋の参加者は騒ぐことを目的としていないのが大きい。コスチュームは、アニメやゲームのキャラクターに扮する本格的なものが主流。一見しただけでも、そのクオリティ、作り込みようには目を見張る。彼らのいちばんのニーズは「せっかくのコスチュームをちゃんと見せたいし、他人の力作を見たい」ということ。加えて10代の参加者も多いことから、イベントは両日とも昼間のみの開催としている。必然的に、泥酔するような事態には陥りにくい。
また横澤氏は、「イベントを存続させたい」というコスプレイヤーの共通認識についても指摘する。「コスプレは、ある意味虐げられてきた歴史がある。オタクと偏見も受けてきた。今は表現活動としてやっと認められてきたところで、コスプレできる貴重な場を失ってしまうような事態は誰も望んでいない。一方で渋谷は、おそらくハロウィンイベントができなくなっても参加者は困らない」(横澤氏)。
自治体が積極的に協力
自治体の理解も外せない点だ。池袋駅がある豊島区では「豊島区国際アート・カルチャー都市構想」を掲げ、ハイカルチャー、サブカルチャーの両面で街を盛り上げる活動を展開している。2014年、横澤氏がイベント開催地としての協力を初めて打診した際、「高野之夫区長は二つ返事でやりましょうと言ってくださった」という。
こうして年々規模が大きくなる池袋ハロウィンも、立ち上げ1年目は参加者数が思うように伸びなかった。ニコニコ動画、ニコニコ超会議などの制作・運営に長く携わり、サブカル分野に精通している横澤氏だが、特にコスプレは「すごく繊細で難しいマーケット」と吐露する。
着替える場所はちゃんと用意されているか、道行く人に白い目で見られることはないか……。イベントホールなどの密閉空間ではなく、街全体を使ったイベントであるがゆえに、参加へのハードルは低くなかったようだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら