帝人が「介護休職730日」を導入した理由 女性活躍推進からダイバーシティ推進へ

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これからの課題は「働きがい」

――これまで介護休職制度を利用した社員数は何人ですか。また2010年に期間を1年間から2年間に倍増されました。その理由は何でしょうか。

1997年の制度開始からの延べ利用者数は36人。2005年に「分割できる」と改定してからの利用者は36人だ。先ほど話したように未消化の年休などで対応する社員が多い。

日高乃里子 人財部 ダイバーシティ推進室長。 大学卒業後、外資製薬会社、調剤薬局勤務を経て、1989年に帝人(株)にキャリア入社。帝人ファーマ(株)で学術担当として、主にMRの教育を担当。92年に長女を出産。2012年10月より現職。

ただし利用した36名の中には、要介護者の状態が大変な者もおり、7人が365日すべてを使い切ってしまった。使い切ってしまうとさらに休職することはできないから、辞めざるをえない。実際に9人は退職した。しかし介護が理由で辞めざるをえない本人も、有能な社員を手放す会社も、双方にとってハッピーではない。そこで、それ以上の利用も有りえるのではないかと考え、2010年に期間を730日にした。

こういう施策を積み重ねてきて、現在の帝人のワーク・ライフ・バランスは、制度やその運用を整えることで「働きやすさ」は整っていると考えている。これからの課題は、価値観が多様化する中での「働きがい」だ。

そう簡単に意識改革が進むとは思わない。2000年の女性活躍推進室の設置から13年で今日の成果を得た。これからの意識改革も10年後を見据えて果実を収穫したいと思っている。

(撮影:梅谷秀司)

 

 

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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