帝人が「介護休職730日」を導入した理由 女性活躍推進からダイバーシティ推進へ
これからの課題は「働きがい」
――これまで介護休職制度を利用した社員数は何人ですか。また2010年に期間を1年間から2年間に倍増されました。その理由は何でしょうか。
1997年の制度開始からの延べ利用者数は36人。2005年に「分割できる」と改定してからの利用者は36人だ。先ほど話したように未消化の年休などで対応する社員が多い。
ただし利用した36名の中には、要介護者の状態が大変な者もおり、7人が365日すべてを使い切ってしまった。使い切ってしまうとさらに休職することはできないから、辞めざるをえない。実際に9人は退職した。しかし介護が理由で辞めざるをえない本人も、有能な社員を手放す会社も、双方にとってハッピーではない。そこで、それ以上の利用も有りえるのではないかと考え、2010年に期間を730日にした。
こういう施策を積み重ねてきて、現在の帝人のワーク・ライフ・バランスは、制度やその運用を整えることで「働きやすさ」は整っていると考えている。これからの課題は、価値観が多様化する中での「働きがい」だ。
そう簡単に意識改革が進むとは思わない。2000年の女性活躍推進室の設置から13年で今日の成果を得た。これからの意識改革も10年後を見据えて果実を収穫したいと思っている。
(撮影:梅谷秀司)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら