2人に1人が「100年生きる」時代に必要な能力 何歳でも「変身できる」力の身に付け方

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長い人生では、どんな変化が訪れるかがわからない。著者は言う。いま100歳の人は、二度の世界大戦、ロシア革命と共産主義の崩壊、電気、テレビ、量産型乗用車の普及、最初の商用旅客機の登場、人類初の月面着陸、インターネットの誕生と普及、電気掃除機、電気洗濯機の誕生と普及も経験してきた。ジッパーとブラジャーも当たり前になった。

これだけを見ても、すごい変化だ。著者が言うように、いま生まれた子どもが、今後100年間で経験することを予測するのは不可能だろう。この先、どんな変化が待っているだろうか。長い人生を生きるには、こうした変化に対応して、生涯を通じて「変身」する覚悟が必要になる。

変身を成功させる要素として著者が挙げるのが、「自分をよく知っていること」「新しい人的ネットワークを築くこと」「新しい経験に対する開けた姿勢」だ。

新しい人的ネットワークを築くときは、古い友達の一部と疎遠になることはさけられないと著者は指摘する。古い友達は、いまのままのあなたと付き合うことに最も大きな投資をしてきた人だから。

また、変身に向けて行動するときには、ほかの人の生き方に興味を持ち、新しいことを試すときにつきもののあいまいな状況を嫌わない姿勢も重要だ、というアドバイスもしてくれている。理屈抜きの、感情レベルの経験の大切さを説いているのだ。

こうした変化に積極的に向き合うことは、ハードルが高いな、と思う人もいるかもしれない。しかし、それができれば、これまでは単線でしかなかった人生から、複線的な人生を歩むことができるようになるかもしれない。これこそ、100年人生の恩恵とも言える。

長寿をポジティブに楽しむ本

本書に登場するジェーンは、3ステージモデルの呪縛から脱して、「はしゃいで跳ね回る」人生を過ごしている。そんなに人生うまくいかないだろう、という疑問もわいてくるが、100年時代には、そんな人生を歩む人が多数になりそうだ、という気もしてくる。

そんな新しい社会を見てみたい。もし自分も「長寿化」の恩恵に浴せるなら、新しい社会を見るための時間ももらえそうだ。長生きのリスクばかりが話題になっているが、本書は、長寿社会に向けたポジティブなメッセージを力強く打ち出しているように思う。悲観的な思考から脱し、人生をエンジョイするためにも、ぜひ多くの人に読んでほしい本だ。

砂流 恵介 ライター

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すながれ けいすけ / Sunagare Keisuke

1983年広島県生まれ。秋葉原のPCショップ販売員を経て、日本エイサーにて宣伝・広報を担当。2014年1月に独立。手段を選ばないゲリラ的なPRを得意とする。アメリカザリガニ平井のゲーム実況番組「スーパーピコピコクラブ」のメインMC、元JUDY AND MARYのTAKUYAが中心になって結成した「商店街バンド」の広報、攻殻機動隊REALIZE PROJECT編集長のほか、各種ネットメディアでの記事を執筆している。

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