女子高生と武士道
――今後の課題はどういうところにあると思いますか?
今の鴎友に足りないもの。それは外部との“衝突”でしょう。私学ではどうしても似た境遇の生徒たちが多く集まってしまいます。韓国の進学校や日本のトップ校との親交も進めていますが、これからは、経済的、文化的な背景がまったく異なる集団と交わる機会をもっと設けたいですね。時には真っ正面から衝突することがあってもいいと思います。せっかく英語力やコミュニケーション力を養っているのですから、それを存分に発揮してもらうのが、今後の課題ですね。
――生徒には普段どんな話をしていますか?
うちはキリスト教をバックボーンに据えていますが、ミッションスクールではありません。キリスト教は欧米文化の源泉、人格形成の重要な要素のひとつです。必要なら、仏教の話をするときもありますし、神道の話になることもあります。先日は生徒にクリスチャンである新渡戸稲造の武士道の話をしました。彼は東京大学の入学試験の面接で教授たちが居並ぶ前で、「私は太平洋の懸け橋になりたい」と、大見得を切ったのです。生徒たちにもこれくらいの大志を抱いてもらいたいですね。
(撮影:田所 千代美)
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