さて、私は今、イスタンブールのブルーモスクの前でこれを書いているわけだが、今日がトルコ最終日ということで、私の今回のイスタンブール滞在の感想を書かせていただこう。
まず空港に着くと、インターナショナルなことインターナショナルなこと! 西欧人やら、アラブ人やら、アフリカからの人たちやら、東南アジアからの人でごった返している。おそろしく長い列を並んでようやく空港から出ると、すぐさま垂れ幕でオリンピック招致の広告が至る所にある。
しかし、その垂れ幕を見たのは空港周辺だけで、イスタンブールの街中でオリンピック招致の空気を感じたことはない。トルコの方々にいろいろ聞いてみたが、「政治家が人気取りでやっているだけで、一般の熱気はあまりないのはどこかの国と同じような感じだ。まぁ、来るなら来てほしいので、世論調査は高いけど」程度の反応が多かった。
民衆から盛り上がって生まれた五輪気運ではなく、一部の政治家が税金を使って世論喚起して一生懸命誘致しようとしているのだとしたら(税金でそんなお祭り騒ぎばかりして、仕事した面ができるのだから、元都知事はさぞかし楽しかったことだろう)、どこかの元都知事および招致活動の足を大いに引っ張っている都知事と似たようなものなのだろうか(ただ経済合理性という意味では、インフラ整備が進んでおらず人口も増えている途上国では、その後の成長で元が取れるのだが)
世界一美しい広場のブルーモスクとアヤ・ソフィア
さて、イスタンブールといえばブルーモスクとアヤ・ソフィアだが、この2つの世界遺産に挟まれた広場は、私が訪問した世界中の広場の中でも最も美しい広場である。バラやチューリップの花が咲き乱れ、立派な噴水から水しぶきがほとばしり、どの方角を見ても美しく繊細かつ巨大なブルーモスクとアヤ・ソフィアがそびえ立っている。
この地を第一次世界大戦時まで長期間支配したオスマントルコは700年に及ぶ非常に長続きした帝国なわけだが、このトルコが一時は中央ヨーロッパ、南ヨーロッパ、北アフリカ、中東広域を束ねる大帝国だった頃の栄華がしのばれる。フランスにしてもトルコにしても中国にしても、スペインにしても、やはり一時期世界の富が徹底的に集中した国は残っている文化遺産も大きい。
ほかにもバザールやら300年続くトルコ風呂(けしからん年配の方が想像するものではなく、ひげを蓄えた太っちょのおじさんがかなり高額の垢すりをやってくれる)やら、有名なハーレムやらなんやら、いろいろなところに行った。
私は道端で売ってる焼き栗やザクロジュースにオットマンコーヒー、そして粘度の高い“トルコアイスクリーム”などを楽しんだのだが、コラムすべてを使って旅行記を書いても仕方ないので、現地のボスポラス大学を出たトルコ人エリートの友人にいろいろ話を聞いて面白かったことをご紹介しよう。
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