イスタンブールで“五輪熱”は、低かった! グローバルエリートがトルコに出陣

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トルコでは、特定の大学の入試はなし

私がトルコ人の友人に聞いていちばん興味深かったのが、トルコの大学入試制度だ。高校生は特定の大学を受けるのではなく、全大学の共通試験をまず受けて、その得点に応じて行きたい大学を選べるというシステムである。よって第1志望の最高学府をギリギリ狙えるポジションだが、安全策で第2志望を受ける、といった不効率が発生しない。

ちなみに全大学の共通テストだけ受けて、あとはエッセイ等で差をつけるというテスト形に関しては、韓国も中国もそういう流れになっており、各大学が違う受験テストを課しているのは日本が異例といえるかもしれない。

なお教育システムは暗記偏重の詰め込み教育でつまらないと不平を言っていたが、この問題はどこの国の友人(たとえばオランダ人の友人もいっていた)に訊いても同じような反応が返ってくる。

なお、エリート大学を出た彼ら・彼女たちは英語が非常にうまい。これは授業がすべて英語で行われるからだという。この“英語による授業”はかなり前からいろいろな国の大学で行われており、私の友人の北京大学でファイナンスを学んだ女性も、授業はすべて英語だったと言っており、そのおかげもあって英会話も日本の学生に比べ格段に流暢だ。

グローバルに高まるトルコ人エリートへの需要

そのエリート大学を出た学生に一番人気の職種は、数年前まではグローバル企業や巨大テレコム会社のマーケティング部門だった。確かに街中にTurk Cellという携帯電話の会社の宣伝が5メートルおきくらいの勢いで氾濫しており、人口が若くまた多い(7500万人)トルコで、通信インフラは巨大な成長産業である。

その経済ポテンシャルの大きさから最近はグローバル企業の進出が相次いでおり、今では先進諸国と同じく、トップクラスの学生が目指すのはボストン・コンサルティング・グループやマッキンゼー、ベインアンドカンパニーなどコンサルティングファームに移っているという。

なお、これまた別の友人のトルコ人女性が某巨大金融グループのロンドン本社に採用されたのだが、各金融機関もトルコの潜在性に注目しており、トルコビジネスを拡大するためにトルコ人エリートへの需要が高まっているという。トルコは中東や北アフリカへの投資の窓口としての機能も担っており、最近ではプライベートエクイティファンドの進出も盛んである。

ちなみに海外のコンサルティングファームや投資銀行、一流MBAで出会うトルコ人は選りすぐりのエリートなため、非常に聡明な人が多いことも付け加えておく。

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