世界中の「ガリ勉」たちが集結した結果 トップスクールが実践する極めて合理的な選抜の方法(後編)

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アメリカらしさに軍配が上がっているのかもしれない

というわけで、アメリカの大学院入試制度は、いろいろと行き届かない部分はあるけれども、ともかくいちばん重要なところはしっかりと押さえている、結果的にはデキる学生を集めてしまう、そんな制度なのかもしれない。

細部にいい加減なところはありつつも、早くから移民を受け入れ、新しい文化や技術を受け入れてきたアメリカらしい入試制度なのかもしれない。

などということを、選考委員をしていてぼんやり思ったのだった。

 

著者撮影:気持ちの良いある日の、スタンフォードの風景を

 

読者のみなさんへの追伸、

学者としての僕の専門は(自己紹介も兼ねていっておくと)ミクロ経済の理論で、今回書いたようなことは完全な専門外です。

どこまで妥当な考えであるかは、僕自身もう少し時間をかけて見ていきたい。僕がここに書いたことを学問的な通説であるとか、客観的な裏付けや証拠のあることだと(もし万が一)お思いになる方がいらっしゃったら、世の中にとって良くないので、あくまで一研究者の主観によって書かれた記事である、と読んでいただけたら(そして願わくば楽しんでいただけたら)幸いです。

だいたいにおいて、学者は自分の専門については、間違いのないよう、証拠があるということを明示して、とにかく正確に書こうとするのだけれども、そんなふうに神経を尖らせざるをえない専門分野がある一方で、それ以外については、日々、テキトウなことをいろいろ考えていたりするものなのです(……ご注意を!)。

実を言うとこの連載では、普段の論文(せっせと英語で書いています)には書かない、いわば「いい加減な思いつきや考え」をあえて書いてみることで、外からはよく見えないであろう学者の業界を描いてみたい……と、個人的にもくろんでいます。

小島武仁 拝

 

 ※次回更新をお楽しみに!

小島 武仁 経済学者、東京大学大学院経済学研究科教授

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こじま ふひと / Fuhito Kojima

東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)センター長。1979年生まれ。2003年東京大学卒業(経済学部総代)、2008年ハーバード大学経済学部博士。イェール大学博士研究員、スタンフォード大学助教授、准教授を経て2019年スタンフォード大学教授に就任。2020年に母校である東京大学からオファーを受けて17年ぶりに帰国し、現職。専門は「マッチング理論」「マーケットデザイン」。

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