世界中の「ガリ勉」たちが集結した結果 トップスクールが実践する極めて合理的な選抜の方法(後編)

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

「ガリ勉」のどこがいいのだろうか?

著者撮影:前回同様、スタンフォード大のオフィスから

さて、前回(「求む、ガリ勉!」アメリカの大学のやり方―トップスクールが実践する極めて合理的な選抜の方法〈前編〉)は、アメリカの経済学部大学院入試において、意外なくらい筆記試験が重視されていないということ、一方で彼らがいわゆる「ガリ勉」学生を採りたがっているということをお伝えした。

選考に必要な書類は下記のとおりだ。

 1:大学の成績表
 2:GREという全国共通試験の結果
 3:英語試験TOEFLのスコア(外国人の場合)
 4:推薦状
 5:志望理由を述べたエッセイ(多くの大学で)

後編では、この大学院入試で行われているのがいったいどういうことなのか、お話ししていきたいと思う。まずは、「ガリ勉」について、もう少し補足しよう。

まず、現代の経済学を研究するにあたっては、何をおいても一定の数学力がなくては話にならない。そこでポリシーとなるのが以下の3点だ。

①最初にGREの数学の点を見て、(ほぼ)満点でなければ足切りにする
②大学でいくつ数学の授業を取っているか、その授業でちゃんとA(優)を取っているか見る(特に基礎的科目である実解析と線形代数の成績を見よ)
③そのうえで、推薦状に良いことが書いてあるかどうか見よ

①と②を見る限り、選考は超機械的だ。

次ページ具体性に欠ける「推薦」の言葉は無視せよ!?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT