選挙の不平等は「一票の格差」だけではない

過剰に代表される地域、過少に代表される地域

「一票の格差」とは、そもそも何なのか?

著者:砂原庸介(政治学者、大阪市立大学准教授) 撮影:今井康一

2012年衆議院議員総選挙における「一票の格差」をめぐって、全国で起こされていた16件の訴訟は、3月27日までにそれぞれの高等裁判所で判決が下された。

裁判所は14件に違憲判決を下し、残り2件についても違憲状態とした。特に広島高裁と同高裁岡山支部は、違憲だけでなく選挙の無効にまで言及し、国民に大きな衝撃を与えた。

他方、国会が総選挙直前に可決した公職選挙法の改正によって、3月28日、いわゆる「0増5減」に基づく新しい選挙区割が、選挙区画定審議会(区割り審)から勧告された。

山梨・福井・徳島・高知・佐賀の5県でそれぞれ1議席を減らし、17都県42選挙区で選挙区割が見直されるというものだ。政府は勧告に基づいて必要な法改正を行うとする。だが、これは司法から提起された問いへの回答として十分といえるのだろうか。

そもそも問題とされる「一票の格差」が何かを考えていこう。これは、単純に国会議員一人を選ぶ有権者の数が、選挙区によって異なることである。

特に、議員一人当たりの有権者が最大の選挙区と最小の選挙区の比率が「一票の格差」の大きさとされてきた。

2012年9月の総務省の調査によれば、最小の高知県第三区は、20万5461人、最大の千葉県第四区は49万7350人、両者の比率は2.42倍である。

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