欧州エアバスが日本で逆襲する日 日の丸エアラインをめぐる、米ボーイングとの激しい攻防

拡大
縮小
フランスにあるエアバス工場。「A380」を生産

6月1日からいよいよ米ボーイングの中型機「ボーイング787」が再就航する。1月に起きたバッテリー出火事故で、運航のストップをかけられていた「B787」。だが、米当局などによる改修計画の認可も終え、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)ともに、再開する見込みだ。

 中型機であるが、既存の旅客機より燃費が2割ほどよく、欧米の主要都市へも就航が可能な787。好収益確保の切り札として、JAL、ANAの両社は、大きな期待を寄せる。世界の航空機市場を見ると、米ボーイングと欧州エアバスは、実はほぼ互角の争いである。だが、日本市場に限れば、シェアはボーイング9割:エアバス1割だ。

エアライン各社の機材の所有状況を見ると、大手2社はいずれも“ボーイング派”。JALの場合、ボーイング機が166機(前期末、所有・リース)なのに対し、エアバス機はゼロ。過去にも一機も使った歴史がない(合併した旧日本エアシステム〈JAS〉はエアバス機所有あり)。ANAもやはりボーイングが主力となっている。

次ページなぜ日本の大手はボーイング優位なのか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT