就活生に期待する能力=社員に期待する能力?
〝宇宙人襲来〟のような状況、ESの設問が真に問うものとは?

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ESの難問奇問対応に加え、就活生らしさの演出にも余念がない。撮影:今井康一

あらためて話す中で、なるほどと思ったのは、常識に照らしてみると、このケースが示す状況は、かなり異常である、ということだ。これまではみんなが頑張って、うまく運営できていたにもかかわらず、あるとき、がくんと売り上げが落ち、突然存亡の危機に見舞われる。宇宙人が侵略してくる、SFばりの展開だ。

そう、このケースでは、まさに「宇宙人襲来」の状況が想定されているように思えてきたのである。

店舗の売り上げが激減して困っている、といっても何の面白みもない。しかし、宇宙人が突然襲来したときにどうしたらいいだろうか、と考えれば途端に面白さが倍増する。

答えはシンプルだ。とりあえず、まずは逃げる。店舗に踏みとどまって原因を特定し、顧客を設定し直し(宇宙人相手に新たなビジネスを始める?)、マーケティング・ミックスを最適化する人は、たぶんいない。

発想力を現実に活かす。熟考、「宇宙人襲来」

これは、さすがに飛躍しすぎで答えにならないだろうが、もう少し現実に即した「宇宙人襲来」の状況たりうるものは何であろうか。

たとえば、近隣にユニクロとZARAとH&Mの大店舗ができたという状況はどうだろう。これなら、現実にもありそうだ。同時に、すでに当初の平凡な解答とは、少し違う議論ができるようになっている。

もはや、原因の特定が必要ないからだ。売上が減少している理由ははっきりしている。ユニクロやZARAに顧客をごっそりと取られたのである。ビジネスの抜本的改革が求められていると見たほうがいい。

それは、単に店を閉めるということではなく、中長期を見据えて、ビジネスのプランを立て直す必要があるということだ。もっといえば、いま想定したような大規模出店なら事前にわかるはずだから、本来、もっとはやい段階で始めるべきことがあったともいえる。

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