グローバルエリートが半年の連載を振り返る
「グローバルエリートは見た!」反省会

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デビュー作:香港・シンガポールとの比較

今は懐かしの本連載デビュー作、「東京とシンガポール・香港比較」シリーズに関してだが、別に私としては、これまた雪は白いなぁ、くらいに当たり前の話をしていたわけだが、多少自分の周りで当たり前、くらいのことを書いたほうが受けがいいのだろうか。

逆に“これは珍しく面白い”と自分が思ってペルーやレバノンまで遠くに行ってしまうと、一般の目からみると正規分布で言うところの標準偏差3並みに外れてしまい、関心のある人の層が限られてしまう。コラムニストの仕事は自分が面白いことを問いかけるのではなく、ある程度需要があるトピックに関し、出版社側のビジネス事情も鑑みながらバランス感覚を持ってコラムを書くことなのだと悟りを開き、私はまたひとつ、大人になった。

さて、ぶつぶつと書き続けてきたわけだが、結局の話、私が半年もコラムを書き続けて皆様に伝えるほどのメッセージは何があっただろうか。

まず、海外ネタが少なくなる国内志向のメディア情勢の中、親愛なる読者の皆様の視点を少しでも海外に、世界に広げることのお手伝いができていたら幸いだ。私は「東洋経済オンライン」をグローバルな視点を持つために日本一のメディアに飛躍してほしいと願っており、志高い、若手編集長及び日頃お世話になっている編集部の皆様のお手伝いをできれば、と思っているのだ。

そして親愛なる読者の皆様に対しては、国内問題を論じるときに、他の国の視点を取り入れ、国内のコップから飛び出して広い視野で物事を見る一助になっていればうれしい。

あとはたまにぷっと笑っていただけていれば幸いだ。われわれの短い人生、どれだけ頑張ったところで最後は灰になってこの世から跡形もなく消え去る。財務諸表で言えば大抵の人生は短い期間が終われば人類のバランスシートから落とされ、消えていく。せめてささやかながら活動している一瞬の間は、不幸な情報、腹立たしい出来事が満載であったとしても、楽しい幸せな時間を意識的に増やして笑っていければ、と願っている。

夜寝る前にベッドサイドのトワイライトの下で、スマートフォン片手に「グローバルエリートは見た!」を見て、恋愛特集やプロレス特集でほわっと愉快な気分になって、笑いながら寝ていただければ、太っちょコラムニスト冥利に尽きる、というものである。

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