“喫茶店王国”名古屋で生き残るコツとは? トルコアイスとケバブは出さない本格トルコカフェ

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儲けたい気持ちはあるけれど、もっと大切なことがある

――チェーン展開をすることはなさそうですね。

儲けたいという気持ちはありますよ。でも、自分もスタッフもお客さんもハッピーになるのが前提です。みんなが楽しみながら、少しずつでもお客さんが増えていったらいいな、と思っています。

カフェをビジネスだと割り切って拡大していくのも、カッコイイなと思います。でも、私は自分を表現するのがお店だと思っていて、それが仕事になっているだけでラッキー。今はトルコの魅力を伝えるのに夢中です。喜ぶお客さんの顔も間近で見たい。いわゆるオーナー経営者には私は向いていないかもしれませんね。

中古マンションを自力でリノベーションした自宅。料理教室やヨガ教室のイベントスペースとしても貸し出しています

カフェを始めたいという若い人から相談を受けると、「3年ぐらいでやめるならば最初からやらないほうがいい」と、あえて厳しくアドバイスをしている上浪さん。どんな理由であれ、店を畳むのは支えてくれた人たちを裏切ることになるし、何よりも店そのものを「夭折」させてしまう。わが子のように店をかわいがっている上浪さんには見るに忍びないのだろう。

店舗経営を「おカネをより多く稼ぐ手段」と割り切る人ならば、いち早くチェーン化してスクラップ&ビルドを推進するのが正解なのかもしれない。しかし、縁あって見つけた場所に建物を作って人を集めた時点で、お店を「愛おしい生き物」だと感じる人もいる。毎日掃除をして、人にもモノにも手間暇をかけて育てることで、その店はかけがえのない存在になっていく。急いでいるときはチェーン店も便利だけれど、ゆっくり食事をするならば「シャンパンブランチ」や「KRAL」のような店を僕も選びたい。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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