――「疲れているでしょう」って何語で言われたんですか?
流暢な名古屋弁です(笑)。彼は15年以上、名古屋に住んでいたので、言葉の壁は最初からありませんでした。それはお付き合いするのに大事ですよね。今でも私が言いたいことはかゆいところまですべて彼に伝わります。
私は昔から欧米かぶれで「実家が海外にあったらいいのになあ」なんて空想していましたが、トルコのことは何も知りませんでした。主人に「トルコ人って母国語は何?」という基本的な質問をしたら、「トルコ語に決まっとるだろう」とやはり名古屋弁で返されましたよ。
実際にトルコに行ってみたら、東西の文化と歴史と新しさが混ざり合った宝物みたいな国でした。特にイスタンブールには見どころがいっぱいです。すごくすてき。6年前にオープンした「KRAL」でありがちなトルコアイスとケバブサンドは出さないことにしたのは、トルコのイメージを変えたかったからです。もっとオシャレで魅力がある国ですよ。
トルコ人男性と日本人女性の夫婦は意外に多い
――国際結婚生活はいかがですか。
トルコ人男性と日本人女性の夫婦は意外と多いんです。トルコ人男性は優しくて精神的に強い。昔の日本男子みたいだと思います。人前では男性が威張るけれど、家のことは女性が取り仕切っているところも似ています。家の中には靴を脱いで上がる習慣も同じ。すごくキレイ好きです。
主人が精神的に強いのは宗教という支柱があるからだと思っています。信じているものがあるから運命を受け入れられる。ちょっとしたことでは動じません。
信仰に関しては賛否両論があると思いますが、人生の伴侶として選んだ人が信じているものだから私も入信しました。イスラム教徒と結婚するには改宗が必要なんですよ。もともと豚肉より牛肉が好きなので食事には問題ありません。日本ではカレールウにも豚の脂が入っていたりするので、見分けるのが大変ですけどね。お酒が飲めないのは正直つらい。そのへんのことはあまり追求しないでください(笑)。
――家事や仕事はどのように分担しているのですか。
私は家事があまり好きじゃなくて2つのお店で目いっぱい働いているので、家事は主人に任せています。家事が終わるとお店に来てくれますが、日本人の料理長と店長がしっかり切り盛りしているので、主人はマスコット的な存在です。
主人は日本で溶接や大工の仕事をしてきたので、内装関連は何でもできます。「KRAL」と自宅は私がデザインして彼が施工しました。業者に発注するのに比べると5分の1ぐらいの費用です。“お得”が大好きな名古屋人にはうれしいですよ。普段もお店のちょっとした改装や椅子やテーブル作りに主人が活躍しています。
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