米国時間の9月26日夜に行われた第1回テレビ討論会(前回記事「速報!TV討論でヒラリーが圧勝できたワケ」を参照)で、民主党のヒラリー・クリントン候補に圧倒的な力量の差を見せつけられた共和党のドナルド・トランプ候補。その後の脱税報道やきわめて下劣な発言テープの暴露などにより、地滑り的に支持を失う中、10月9日、第2回討論会の日を迎えた。
トランプは圧倒的に不利な形勢だ。にもかかわらず、討論会において自滅することはなく、「何とかしぶとく持ちこたえた」印象を受けた。
しかしそうなると、改めて感じるのが、「なんで、こんなトンでもない人が大国アメリカの大統領候補としてここまで、生き延びられているのか」ということだ。一体、誰がどうして、こんな人を支持しているのか、日本人の多くが疑問に思っていることだろう。今回の記事では第2回討論会を振り返りつつ、そのナゾに少し迫ってみたい。
立ち続けたトランプ、座ったヒラリー
今回の討論で際立ったのがトランプの圧倒的なステージパフォーマンス、「場」の支配力だ。
前回と異なり、演台はなく、ステージ上に置かれた2つの椅子にそれぞれ腰かけ、順番に立って発言するという形だったが、トランプは立ったまま。ステージ上を自由に歩き回り、ヒラリーが発言している時も「背後霊」のように起立したままで、強烈な威圧感を与え続けた。一方で、ヒラリーは自分の発言が終わると、毎回、席に戻る。思わず、「トランプは立ち続けていられるのに、ヒラリーは疲れているのか」と感じさせてしまうほどだった。
ヒラリーは言葉のキレもそれほどなく、前回ほどの余裕はうかがえない。前回は、ヒラリー側によって巧妙に計算され、用意された罠の中にホイホイと入り込み、じたばたするトランプの様子をヒラリーが高みから観察し、ほくそ笑んでいるような構図が見られたが、今回はそうした場面もなかった。
結局は不毛な中傷合戦に終わったが、大手メディアは、この論戦をどのように見たのだろうか。
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