速報!第2回TV討論「トランプ善戦」の不思議 一気に支持を失う中で壊滅的敗退は免れた

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「トランプのこの討論での絶対命題が、猛攻を耐え抜き、体制を立て直すことだとすれば、それは達成できた。トランプは当意即妙で、最初の討論より中身のある内容のものとなった」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)

「厳しい質問にさらされながら、質問をはぐらかし、適当に答えをでっち上げ、相手を非常に個人的な言葉で攻撃し、何とか切り抜けた。トランプは、全滅は免れた」(ニューヨーク・タイムズ紙)

今回の討論に限ってみれば、壊滅的状況は回避したとの評価が目立ったといえるだろう。失地回復には及ばないが、更なる出血は止めた、といったところだ。

暴露テープは放送禁止用語満載

しかし、何ともしぶとい。アメリカでも、一年前に、この人が共和党候補として勝ち残り、大統領選の終盤まで居残ると予想した人はほんの少数だった。まさにダークホース、いやダースベーダーのような強烈な「悪役」である。

そもそも発言は人種差別的、性差別的、排外主義的。究極のナルシストである。件の暴露テープの内容も、日本の新聞やテレビでは表現を和らげられているが、放送禁止用語満載で、品性も知性のかけらもない。女性を「モノ」としてしか扱っていないことがよくわかる。

こんな危険な人物に核兵器のボタンを握らせてはならないと、今やアメリカのありとあらゆる大手メディアが、トランプを攻撃し、非難し続けている。日本でいえば、NHKから民放、全国紙大手全紙が寄ってたかって、敵に回ったような状態だ。

メディアだけではない。ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ、レディー・ガガ、ジョージ・クルーニーを始めとする大勢のセレブリティがヒラリー支持を声高に訴えている。ここのところのスキャンダルで、どちらに投票するか決めかねていた浮動層が、ヒラリー支持に傾いているとは言われるが、それでも、一部の熱狂的なトランプ支持層のサポートは1ミリも揺るがない。そういった人たちにとってはトランプが脱税しようが、浮気をしようが、人種差別をしようがお構いなしなのだ。

ここまで熱狂的な支持を集めるのはなぜか。詳しくは、トランプのコミュ力の秘密について分析した過去記事「こんな毒舌キャラが全米を熱狂させるワケ」にあるように、天才的なデマゴーグ(扇動者)であるということが挙げられる。

トランプの話し方は、実に幼稚だが、力技で迫力があり、嘘でも、間違いでも平気で、本当のことのように言い切る。また、複合的に文章を組み立てることができないので、単純な言い回しに終始する。途中で、何を話していたのかわからなくなるのか、話がどんどんと飛んでいくことも多い。だから、主語と述語が一致しなかったり、文章をきっちりと終らせなかったり、という発言が多い。

しかし、その未完成の文章を、聴衆が自分の言葉で埋めて完結させることにより、トランプと一部の聴衆との間には共感が生まれる、と分析する学者もいる。

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