こうしたことに対処するため、エッツィーはサイトを見回るスタッフを増強し、さらにテクノロジーで大量生産品を売ろうとする店を突き止める仕組みも編み出している。自分の頭でアイデアを生み出し、コツコツと自分の手でもの作りする人々と、金儲け目当ての店をしっかり区別するためだ。
要は、インターネットでつながる現代の手作りコミュニティは、そんな高度なテクノロジーの力によって支えられており、それをさらに強化しなければ成り立たないということだ。
そんな開発も含め、ディカーソンは社内のエンジニアたちがどんなことにも積極的に挑み、間違いを起こすことを怖れない環境を作っているという。「ミスしたことを責められない環境を作ることによって、問題の根を早く見つけ、隠し事がなくなります」と、彼はあるところで語っている。
お仕着せの消費にNO!
実は、エッツィーが大きな人気を得たのは、経済不況の影響もあった。資本主義の行き過ぎで経済が破綻し、ことにおカネを持たない人々が苦境に陥った。そんな中、人々はこれまでのお仕着せの消費の仕方に疑問を持ち、ビッグビジネスが押し付ける商品に魅力を感じなくなったのだ。
そして、手作りものが持つ匂いに引かれるようになり、また、少しでもいいから手作りする人々を助けたいという気持ちになったのである。その意味でエッツィーは、社会を変えているとも言えるだろう。
「自分は、エッツィーという新しい国の管理者のようなもの」とディカーソンは言う。ディカーソンは、手作りコミュニティとテクノロジーという、ふたつの懸け離れた世界を理解し、興味深い社会の変化の先端を担っているのである。
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