不妊治療にはいくらかかるのか? コスト別 カップルのための治療戦略

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世界で広がる不妊症。中でも“晩産化”が進む日本の状況は深刻だ。今や男の10人に1人が精子に問題を抱える時代。男も不妊とは無縁ではない。世界のカップルを悩ます不妊症、その最前線を追った。(この連載は、週刊東洋経済2012年7月21日号「みんな不妊に悩んでる」を加筆修正したものです)

 

高額なイメージがある不妊治療だが、実際はどうか? メディカルパーク湘南院長の田中雄大氏に、3つの治療ステップ別に、コストの目安を解説してもらった。

人工授精までなら費用は高くない

最近の患者さんは夫婦で来る方が増えています。日曜日の診察では、半分以上の方が夫婦一緒に来ます。

不妊治療は必ず二人でやるものですから、夫婦の一方を対象にすることはありません。初診時には女性だけだとしても、早い段階で必ず男性に来てもらい、一緒にカルテを作るようにしています。それは男性に当事者意識を持ってもらうためです。男性には、「自分も治療を受けて妻を助けよう」という意識を持ってもらう必要があります。

不妊治療の場合、原因を特定できないケースがいちばん多いですから、「私と夫とどちらに問題があるんでしょうか」という姿勢ではなく、二人で仲良く手を取り合っていくことが大切です。

治療はまず検査から始まります。当院では左表のような項目を検査します。病院ごとに多少の違いはありますが、大体同じです。がん検査と精液検査以外は、基礎体温表の周期に合わせながら検査を進めます。すべての検査が終了するのに、通常4~5週間かかります。

検査はほとんどの項目で保険が適用されます。女性側の初診検査は、約1万2000円、男性側の精液検査は5250円です。アンチミュラーリアンホルモン(AMH)検査(保険適用外)によって、卵巣年齢を調べることもできます。

検査はあくまで、不妊原因を調べるためのもので、「不妊症」と診断するためのものではありません。検査を終了し、原因不明であれば、異常がないということですから、よかったと思ってください。

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