福岡の会社員が仕掛けた「仮設商店街」の先 いきなり脱サラではなく、楽しみながら
26歳で福岡に戻って就職。27歳で東京のベンチャーに転職したが、1年で事業が立ちゆかなくなった。28歳で再び福岡に戻り、企画プランナーとして独立。百貨店にエステやパラグライダーなど体験型の福袋を提案し、ヒットさせた。
現在は、ビルの空きスペースなどの利活用も手掛ける。「清川リトル商店街」もその一つ。ビルのPR作戦としてオーナーに持ちかけたイベント企画だった。
うまくいかないことがあっても、「同じ過ちを繰り返さないことが大事」「次の糧になる」と常に前を向くことにしている。
そんな下野さんがずっと気になっているのが、大企業に勤める知人から聞いた、こんな言葉だ。
「年収は上がっても、幸福度は上がらない」
営業成績を求め、「数字」を追いかける日々。決して楽がしたいわけではない。ただ、違和感を覚えながら打ち込む仕事に、どれほどの意味があるのだろうか。
「もうける」ことよりも、「自己充実」を目指したいと思う人の方が多いのではないだろうか。ならば、そのための「選択肢」を用意したい。下野さんは、そう考えた。
それは、サラリーマンを追い詰める効率重視のストレス社会へのアンチテーゼでもある。
視察、座学を重ねて実践へ
「ふくおか小商い部」は、ビジネスの第一歩を目指してもいいが、「自分らしさ」「やりたいことをやる」という原点を外さないことが基本。「ニーズがありそうだから売る」といった打算とは一線を画す。
月に2回、小商いに取り組む先輩へのインタビューや視察、座学を重ね、半年後にフリーマーケットなどに出店する。部費は1カ月3000円。
会員制交流サイト(SNS)などで公募したところ、9月21日時点で7人が応募。いずれも20〜30代で女性6人、男性1人。会社員がほとんどだが、仕事を辞めて、次の道を探している人もいるという。
出店は、3人以上で1チームを作って臨む。業態は(1)アクセサリーやスイーツなどを「作って売る」(2)商品を仕入れて販売する「セレクトショップ」―の大きく二つ。
必要があれば、販促のため、SNSなどウェブで情報発信する記事の書き方や写真の撮り方、商品の並べ方といったノウハウを学ぶプログラムも「オプション」(別料金)で用意する。
9月27日午後7時半から、福岡市中央区大名2丁目の事務所で「キックオフミーティング」を開く。参加無料。ミーティングに出てから入部を判断することもできる。定員は12人。
「小さくてもいいから、まずは30点から始めましょう」と下野さん。連絡先はこちら。
(文・吉武和彦)
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