One thing in common between Shinzo Abe and I is that both of us are true believers in Japan’s untapped resources. In that regard, call us “an optimistic duo.”
(私と安倍総理に共通しているのは、日本の潜在力を信じていることです。こうしたことから、私たちを「楽天家の2人組」と呼んでください)。
なるほど、それは結構。「国をリードしていくには、皮肉屋よりも、楽天家であるべき」というのもおっしゃる通りである。
国債急落時を想定した「Xデープロジェクト」
だが、国を支える裏方には、悲観主義者の役回りも重要であろう。経済にフリーランチはない。アベノミクスによるご利益は、何らかのコストを支払うか、リスクを抱えることと引き換えに手に入れたものに違いない。例えば黒田日銀の「異次元の金融緩和策」導入で、このところ国債市場はガタガタしている。これが落ち着くのか、そうでないのか。はたまたこれから先はどうなるのか。
ここでは最も関心の高い点について触れてみたい。アベノミクスが失敗した場合の最大のリスク、すなわち「本当に物価が上昇し、長期金利が上昇する(=国債が暴落する)ようになったら、どうすればいいのか」である。
普通、この問題に対しては答えがない。日本の財政状況は、前人未到の境地であるからだ。せいぜい「だからと言って、このままデフレが続く方がいい、というわけにもいかんでしょう」などと言ってごまかすくらいである。
ほとんど唯一、この問題に正面から取り組んだ研究がある。自民党が野党であった2011年6月1日に発表した「X-dayプロジェクト」(以下、Xデーと表記)と題する報告書である。今でも自民党ホームページの「政策トピックス」欄に掲載されているので、ご関心のある方はPDFファイルをダウンロードして、ご参照願いたい 。
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