金利急騰!債券市場を破壊した黒田緩和

日銀は管理不能、高まるリスク

10日~15日にかけて債券金利が急騰(価格は下落)した。10年物国債金利は10日に前日の0.590%から0.700%に上昇、その後も13日0.800%、14日0.855%、15日0.920%をつけた。中短期債はより金利上昇が激しかった。「金利上昇による評価損の拡大を懸念した銀行が、リスク圧縮のための機械的な売りに走った可能性が高い。債券市場は黒田総裁の面目を潰してしまった」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテジストはいう。

第2のVaRショックの懸念高まる

2003年6月に、銀行が損切りのために債券を売り、システム的に売りが売りを呼ぶパニックとなって、10年もの国債金利が、2週間足らずで0.4%から1.1%まで急騰したことがある。これは「VaRショック」と呼ばれる。今回も、それが懸念される事態となった。

15日午前に、安倍首相は参議院予算委員会で、金利の急騰について「動向を注視している。日本銀行は市場参加者と密接な意見交換を行っており、適切に対応されることを期待している」とコメント。午後には日銀が1年物の資金供給オペ2兆円を実施して、やや金利は下げた。

だが、バークレイズ証券の森田長太郎チーフストラテジストは「資金が足りないわけではなく、1年物の資金供給自体には意味がない。ただ、来週に金融政策決定会合(5月21日、22日)を控えていることもあり、いったんは何らかの対応に期待するという姿勢を市場参加者が見せたに過ぎない」という。三菱UFJモルガン・スタンレーの石井氏も「一部の地銀から押し目買いが入ってはいるが、銀行のリスク圧縮の売りがいったん終わるまで、油断はできない」見る。

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