金利急騰!債券市場を破壊した黒田緩和

日銀は管理不能、高まるリスク

1000兆円もの巨額の政府債務という爆弾を抱え、いまだに、プライマリーバランス(基礎的財政収支=利払い費など国債関連費用を除いた歳出と税収との差)の黒字化のメドも立たない日本の財政――。金利上昇は最大のリスクだ。

黒田緩和でなぜ債券市場は荒れる?

「黒田緩和が債券市場を壊した」とはどういう意味か。

異次元緩和は、インフレ率は2年で2%の達成を目標としている。金融市場調節の操作目標を、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更。マネタリーベースが、年間約60~70兆円に相当するペースで増加するようにし、2014年末で270兆円まで積み上げるとした。国債の新規発行額の7割相当額を購入し、買い入れ対象は40年債まで全ての年限の国債で、全ゾーンの金利を押し下げる。あわせてETFやJ-REITの購入拡大も決めている。

ここで黒田総裁がデフレ脱却に資すると考えているルートは以下の3つだろう。

1つ目は、潤沢に資金供給を行って金利を押し下げることにより、企業が資金を借りやすくするというもの。これはしかし、前任の白川方明総裁の時代にすでに十分な取り組みが行われたにもかかわらず、効果を発揮しなかったものだ。問題は企業が投資機会を見出せず、設備投資に消極的なことだからだ。

2つ目は、2年で2%というインフレ目標を掲げて、目標に達するまで資金供給量を増やすとすることで、人々のインフレ期待に働きかけるというものだ。そうすれば、人々が将来のインフレによっておカネの価値が下がることを懸念して、預貯金を減らし消費や投資に動く、という考え方で、いわゆるリフレ政策と呼ばれるものだ。しかし、実際にこうした資金シフトが大規模に起きるのかどうかには疑問が呈されており、一種の実験である。

3つ目は日本銀行が国債を買い占めることにより、主要な参加者である銀行や生命保険会社を国債市場から追い出し、リスク資産へ向わせることだ。黒田総裁はポートフォリオ・リバランス効果と呼んでいる。

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