急ぎすぎた「マック改革」超深層  「藤田田」全否定に、社員、FCは疲労困憊

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創業35周年の7月20日。東京・お台場の店舗に集った報道陣を前に、白地のクールビズでまとめた原田泳幸・日本マクドナルドホールディングス(日本マック)会長兼社長が、満面の笑みで登壇した。「前年比10・2%の売り上げ増を達成しました」。直近3カ月の業績である。「2004年のQSC(品質・サービス・清潔さ)の徹底、05年のバリュー戦略の成果です」。

確かに、今年5月の値上げ効果と新商品「サラダマック」の投入で、客単価が急上昇。外食各社が軒並み冴えない中、こと売り上げの伸びについては独り気を吐いている。

質疑応答でも“原田節”は続いた。「私たちのビジネスはスピードが命。スピードを犠牲にするなら、どんなに優れたメニューでも導入しない」。スピード重視こそ、“原田マック”の真骨頂だ。04年2月にアップルコンピュータ日本法人社長から日本マックCEO(最高経営責任者)に転じて2年半、原田社長はフルスピードで新施策を繰り出してきた。

地域本部制を廃止し、ブランド統一の徹底と本社のグリップを強化。作り置きをしない新調理システム「メイド・フォー・ユー」(MFY)の全店導入も断行した。

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