急ぎすぎた「マック改革」超深層 

「藤田田」全否定に、社員、FCは疲労困憊

米マクドナルドの首脳も「日本では少なくとも67種類のFC契約が使用されている」と認めている。オーナーの個々の状況に応じ、極めて柔軟に運用されていたのである。

この「日本」的運用には、藤田流の合理性があった。「ユダヤ」的に貪欲な藤田氏は、そもそも利益が出ている直営店はFCには回さない。直営では赤字でもFCなら続けられそうな店がピックアップされ、独立フランチャイズ制度に応募する社員に割り当てられた。もちろん、そのままでは利益が出ない店も多い。売り上げが損益分岐点に達しない場合は近隣の小型店舗をつけ足したり、ロイヤルティや家賃を割安にしたり、帳尻が合うように“お化粧”を施し、さばいていくのが、FC本部の仕事だった。「運用の妙」によって支えられていたのが、FCだった。

原田社長はその「妙」をかなぐり捨て、四角四面の契約書一辺倒としたのだから、オーナーは爆発する。

「運用の妙」から“四角四面”へ

爆発が訴訟に至ったのが、静岡県の「マクドナルド大仁店」のケースだ。元オーナーのF氏は昨年9月、日本マックを相手取り、営業権、有形固定資産の買い取りを求め提訴した。Fオーナーも元社員。F氏は糖尿病の悪化に加え、昨年に入って慢性膵炎、眼底出血を併発、やむなく病気によるFC契約解除を申し出た。

だが、本社は買い戻し価格が安い通常の中途解約を主張。いったんは本社も病気解約に修正したものの、引き渡し前日に前言を翻し、合意解約拒否を通告してきたのである。Fオーナーの借入残高は数千万円。体調不調、裁判の疲労が重なり、妻とも離婚した。「長年パートナーと思ってきた会社がまったく別物に変わっていた。すべての不幸はマクドナルドとかかわったことで起きた」。

福岡市の中心街・天神。3月16日23時、まだ客の残る「マクドナルド新天町店」に裁判所執行官が現れた。Kオーナーに示されたのは動産差し押さえの執行文だった。売上金、食材、イス・テーブル――すべて差し押さえられ、店は翌日から休業に追い込まれた。

日本マックはKオーナーとのFC契約を昨年4月に解除。店の営業停止を求め、訴訟を起こした。Kオーナーも反訴したが、1審では日本マックが勝訴。判決が出ると間髪入れずに仮執行に踏み切ったのだ。

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